芸術品を後世に引き継ぐ美術修復家

芸術品に向き合う人

美術修復家の仕事は美術品を世に残す専門家

美しい絵画や芸術品を美術館などで見ることができますが、こうした美術品を修復しているのが「美術修復家」です。
新しい美術品ならいいのですが、古い美術品の中には壊れているものや傷んでいるものもあり、芸術・美術を愛する方々に見てもらうには、できる限り元の状態に復元する必要があります。

美術修復家は、美術品が作られた当初の状態に復元するプロであり、様々な技術、技法を用いて修復します。
古い美術品のほか、新しい作品も何等かのことが原因で破損したときなどにも美術修復家が力を尽くしているのです。

美術修復家は油彩画、日本海外、古文書など様々な修復を行います。
修復するものによって利用する材料、技術も異なるため、一般的に自分の専門とする領域で業務している人が多いです。

美術修復家はどこで働くの?

美術修復家と聞くと、博物館や美術館に所属する以外、どこで働いているのだろう?とおもうかたもすくなくないでしょう。
美術館や博物館のほか、美術品の修復を専門的に行っている修復工房などでも業務しています。

高い技術と専門的な知識がないと、かえって美術品をだめにしてしまう可能性があるため、助手として10年以上かかる仕事ともいわれています。
大きい絵画などは修復家同士が相談しあい、チームを作って取り組むことも多く、こうした修復に取り掛かり始めると休みがなくなることもあるようです。

美術修復家になるためには

美術修復家になるためには、美術系の専門学校、大学、大学院などの「保存修復課程」で 学びます。
そこからすぐに専門家になれることはなく、長く経験を積むことが必要です。
学校ですが国内の場合、美術修復家になる専門的な勉強ができる所は1箇所しかありません。

また日本絵画や古書など、日本に専門家が多い修復の勉強ならいいのですが、油彩画の修復に関しては海外の方が進んでおり、専門家も多いといわれています。
美術修復家の中でも油彩画の修復の方へ進みたい方は、海外へ目を向けることも考えておきましょう。

美術修復家になりたい・・・向いている人とは

美術修復家の仕事は短時間で終わることはなく、作品がどうして劣化したのか、その劣化の原因を突き止め、そのうえでどのように修復するのがベストなのか考えなくてはなりません。
だからこそ大学などで美術、芸術、さらに修復に関して深い知識が必要であり、一人前になるまでに長い時間がかかるといわれているのです。

物事を深く掘り下げ納得できるまで分析できる人、常に向上心を持って勉強でき情報収集など積極的にできる人が向いています。
美術品の修復に必要な知識を貪欲に得て、新しい技術も取り入れ美術品をより傷つけないように修復できるよう、歴史的なものにふれているという理解も必要です。
何より美術品が好きという気持ちを持っていることが重要でしょう。