長期間日に当たると絵画も日焼けする
太陽の光が降り注ぐ明るい家というのは、誰にとっても憧れの的です。
ところが、太陽光が長時間当たる部屋に住んでいると、カーテンや衣類などの退色が気になることも確かです。
壁に架かっている絵画も、なかなか気が付きにくいことですが、日焼けすることによって色が褪せてしまうリスクがあります。
絵画の中でも特に高級なものは、できるだけ日焼けを防ぎ、買ったときの状態をキープしたいものです。
絵画の日焼けというのは、絵画に使用されている絵の具などの画材が色褪せを起こしたり、変色してしまったりすることです。
例えば、白色の絵の具は長時間太陽光にさらされることによって、薄黄色っぽい色に変色してしまいます。
日焼け対策の方法
絵画を太陽光による劣化から守るためには、直射日光が当たる場所に絵画を飾らないことが大原則です。
太陽光の中でも、特に紫外線が絵画に当たることによって、変色などの劣化が起きてしまうのです。
また、太陽光だけではなくて、室内の照明の中にも紫外線が含まれているものがあります。
ですから、照明器具や電球にも気を配ることが大切です。
絵画の日焼け対策として最も簡単なのは、紫外線をカットすることです。
絵が入っている額のガラス、あるいはアクリル板にUVカット効果のあるものを使えば、大切な絵画を紫外線から守ることができます。
UVカット仕様の額縁はさまざまなサイズのものが市販されていますので、額縁を替えるだけで絵画の紫外線対策ができます。
UVカット仕様のほとんどはガラスではなくてアクリル板なので、割れる心配もありません。
紫外線カット率が97〜98%と非常に高く、絵画を長持ちさせることができます。
普通のガラスの紫外線カット率は30%ですから、UVカット仕様のアクリルに替える価値は十分にあります。
もともと、アクリルは紫外線をカットする性質があり、UVカット仕様でなくても90%紫外線をカットする働きがあります。
UVカット仕様のアクリルは多少高価ですので、予算に応じて選ぶのがおすすめです。
劣化しにくいワニスもおすすめ
絵を自分で描くのが趣味の人であれば、紫外線から大切な絵を守ってくれるワニスを仕様するのもおすすめです。
例えば、ホルベインの「水彩用メディウム W483 220ml UVマットバーニッシュ」はつや消しタイプの耐光ワニスで、紫外線対策も万全です。
同時に絵の具が酸化するのも防いでくれるので、絵を長持ちさせたい人は一度使ってみるといいでしょう。
耐光ワニスにはマットタイプの他に光沢のあるタイプもあります。
好みに応じてワニスのタイプを使い分けて、部屋を自分で描いた絵画でいろいろと飾るのも楽しいものです。